◇
帰宅するとすぐに夕食の準備をした。ずいぶん手際がよくなったなぁと我ながら思う。トマトと茄子の冷製パスタを、おじさんはきょうもウマイともマズイとも言わないで、黙って完食してくれた。
食後のココアは決まっておじさんがいれてくれる。ちょっと薄めの味がおじさんっぽくってすごく好きだなって思う。おいしいよ。
ソファにならんで座っていた。おじさんは冷たい麦茶を飲んでいた。誕生日におかーさんがくれたおそろいのグラス、おじさんは毎日使ってくれているね。
ふと、手元に置いていたスマホが震えた。三宅からのLINEの通知だった。2時間前にあたしが送ったのに対する返信だ。
「三宅、無事に帰宅したって。いままで爆睡してたって」
「そうか、よかったな」
おじさんは興味なさそうに声を出した。なんだか無性にくやしくなった。
「気にならないの?」
やばい、いまあたし、ものすごく子どもっぽいことを言おうとしてる。
「あたしが三宅となに話してたか、和志さんはまったく興味ないの?」
矛盾した気持ちが体のなかで渦巻いている。
三宅に好きだって言われたこと、おじさんには絶対知られたくないって思うのに、ほんとは知ってほしいって思ってる。心のどこかでなにかを期待してる。
もしかしたらやきもち妬いてくれるんじゃないかって。怒ってくれるんじゃないかって。
「べつに」
でも、おじさんはいつもの顔のまま、いつものトーンでそう言うだけだ。
帰宅するとすぐに夕食の準備をした。ずいぶん手際がよくなったなぁと我ながら思う。トマトと茄子の冷製パスタを、おじさんはきょうもウマイともマズイとも言わないで、黙って完食してくれた。
食後のココアは決まっておじさんがいれてくれる。ちょっと薄めの味がおじさんっぽくってすごく好きだなって思う。おいしいよ。
ソファにならんで座っていた。おじさんは冷たい麦茶を飲んでいた。誕生日におかーさんがくれたおそろいのグラス、おじさんは毎日使ってくれているね。
ふと、手元に置いていたスマホが震えた。三宅からのLINEの通知だった。2時間前にあたしが送ったのに対する返信だ。
「三宅、無事に帰宅したって。いままで爆睡してたって」
「そうか、よかったな」
おじさんは興味なさそうに声を出した。なんだか無性にくやしくなった。
「気にならないの?」
やばい、いまあたし、ものすごく子どもっぽいことを言おうとしてる。
「あたしが三宅となに話してたか、和志さんはまったく興味ないの?」
矛盾した気持ちが体のなかで渦巻いている。
三宅に好きだって言われたこと、おじさんには絶対知られたくないって思うのに、ほんとは知ってほしいって思ってる。心のどこかでなにかを期待してる。
もしかしたらやきもち妬いてくれるんじゃないかって。怒ってくれるんじゃないかって。
「べつに」
でも、おじさんはいつもの顔のまま、いつものトーンでそう言うだけだ。