10月にある日、管を通せそうな細い箇所が見つかり母は小さな手術をした。

抗がん剤も体力がないけど一度だけ行った。

そのせいで生えていた髪の毛がまた抜けてしまったけど、胆管を通せた事で母の命は繋がったと思う。


流れる胆汁を見て、そして入院して初めて母の全身にかなりな黄疸が出ている事がわかった。

まるでレモンの様に真っ黄色だった。


自分の肌を見て母も驚いていた。


「お母さんってこんなに黄色かったんだね」


「あたしもビックリした。抗がん剤で肌の色わかんなかったもんね。でもあんなにビッシリとガンがくっついてたらそうなるかもしれないね」


あたしの腕と比べてマジマジと見ている。


「ねぇ、お父さんにも痩せた?って聞いたら気のせいだって言われたけど、ハルはやっぱり痩せてきてない?」


「え?そう?あんまりわかんないや」


母には笑ってそう言ったけど、体重計に乗る度に勢いよく体重は落ちていた。


病院で以前の薬を落とすための薬は飲んでいるけど、痩せ方は1ヶ月1キロ程度でゆっくりとしか落ちなかったのに、母が入院してから体重計を乗るといきなり3キロ痩せていたり、次の日は1キロ戻っていたりと体重の変調が激しかった。

でも増えたとしても1ヶ月のトータルであたしは3キロ以上痩せていた。