検査も一通り終わる頃には母の退院の準備が始まっていた。
「心配だからお母さん残ろうかな・・・」
「嫌、これ以上お父さんを1人にしたら死んじゃうって」
「ハルの病気って何だろうね」
「うーん、わかんないけど本当に何だろう?」
2人で首を傾げた。
母が退院する前に本人に告知して、それから両親に報告するという事になっていた。
「何か重い病気っぽい事言われたんだよね、家系に心臓病の人がいないか細かく調べて下さいって。お母さんの家系は思い当たらないけど、親戚に色々聞いてるんだよね、お父さんの方もいないと思うけど・・・」
「やっぱりあたしって心臓悪いのかな?」
「その可能性は高いですからご両親もある程度覚悟して下さいって言われたよ、どうしようかな」
「・・・あのさ、自分がガン患者だって忘れてるでしょ?あたしにはそっちの方が心配なんだけど」
「だってお母さんはわかりきってるし。でもハルのはわからないでしょ?」
母の退院の直前にあたしは循環器の担当医に呼ばれた。