検査から戻ると起きっぱなしのベッドはいつもキレイになっている。


「ハルちゃん」


お使いで頼まれてたお茶をおばあちゃんに渡すと呼ばれた。


「お母さんが洗濯もの持って行くからねって伝えてって言ってたよ?本当に仲良しなんだね『またベッド片付けてない』って言いながらお母さんが直してたよ」


クスクス笑いながら言われる。


「あー、お母さん来たの?もうヤダなぁ・・・」


「いいじゃない、2人共『仲良し親子』で有名だし」


確かに自分で洗濯しなくていいのはかなり楽だと思う。


母とは彼氏がお見舞いに来ない限りほとんど一緒にいた。

検査が終わったら7階に行って、どんな検査をしたか報告に行く。

夕方には父が7階に顔を出すから父にも検査の話をその時にしていた。


「何か恥ずかしいね」


照れ隠しでぶっきらぼうな感じで言うとおばあちゃん達は笑った。


「お母さんが言ってたよ。口調が悪い時は照れてる証拠だから気にしないで下さいって、あの子は本当は優しい子なんですって。事実、私たちがお使い頼んでも嫌な顔した事ないからね、わかってるよ」


「ついでだからだよ!」またぶっきらぼうな答えをしてしまった。