何だかわからないまま入院をしてそのまま眠りに落ちた。
目が覚めると病院のパジャマを着た母があたしの顔を見ている。
「あ、起きた。ハルおはよう」
「おはよう・・・、あれ?何で寝てるんだっけ?」
起き上がるあたしの身体には心電図の吸盤のような管がペタペタ胸に貼付いていた。
そして母とお揃いのパジャマ。
母は呆れた顔で椅子に座って入院道具を手に持っていた。
「お母さんが聞きたいよ。目が覚めたらお父さんが焦った顔で『ハルが倒れた』って言うからビックリしたよ、バカじゃないの?」
「お母さんこそ大丈夫なの?」
「大丈夫だからここにいるんでしょ、朝イチで売店で色々買ってきたよ。嫌かも知れないけど、下着とかはお父さんに頼んだから。カーディガンは届くまでお母さんの貸してあげるから」
母が持っている入院道具はあたしのためのものだったらしい。
「何で倒れたのかな?こんなの初めてなんだけど」
「さぁ?不整脈が出てるって説明は受けたけど、検査しないと何もわからないってさ。とりあえずしばらく入院。それで、お母さんは7階だけど、アンタがいるのは12階。循環器だからね、お父さんが来たら先生から説明受けて同意書にサインするから。何かあったら7階においで」
入院道具をしまうと母はバイバイと手を振って去って行った。