(どこだ?ここ?)
目を開けると酸素マスクをされていて、あたしの周りを救命の格好をした医者が沢山いた。
あたしの苗字を何度も呼んでいる。
「○○さーん、わかりますか?病院ですよ?わかりますか?」
そんなのわかってるよ、手術でいたんだから。
でも、何であたしの声は出なく酸素マスクをさせてるんだろう?
いまいち理解出来ないでいると医者の後ろに父の心配そうな顔が見えた。
「○○さん、わかったら瞬きでもいいし指動かすだけでいいですよ」
妙にダルい身体だなと思いながら頷くと、医者は続けた。
「病院の外で倒れたんですよ?覚えてますか?」
(はい??倒れた??)
首を振った。
「ちょっと検査するからね、だから入院してくださいね」
(は?何だそれ?)
あたしがいるのは救命のICUだったみたいだ。
意味がわからなくて酸素マスクを外そうとパニックになるあたしの頭を父が「大丈夫だから、お母さんも知ってるから」と撫でた。