「ハル、千羽鶴持ってきたぞ。ハル?」
叔父はあたしの異変に気付いて千羽鶴を放り投げてあたしの肩を掴んだ。
「お母さん・・・心拍、今止まったって・・・」
叔父は真っ青になって「ノブ!!」と叫んだ。
「あたし連絡しなきゃだからお母さんを呼んで戻ってきてもらって!」
急いで部屋から出ると父と兄に電話をした。
「心拍止まった・・・早く来てよ!何でそんなに遅いのよ!」
怒鳴りつけてから母の妹達に電話をした。
いつもきてくれてるおばさんにも。
電話を急いで切ると母の病室に走った。
叔父の「ノブ!起きろ!」という声が響いている。
「お母さん?」
ヨロヨロと歩いていると看護士さんに肩を掴まれて
「娘さん、お母さんの手、握ってあげて」
と言われて半分放心したまま母の冷たくなる手を握った。
「お母さん?」呼んでも返事はない。