看護士はあたしと話をしたあの人だった。
母の胸の音を聞いてから
「朝に取りましょうか。体力使うし苦しいから夜にはあまり・・・」
と言った。
それは夜だと体力負けして死んでしまうって事なのかな?
「お願いします」
母の耳はしっかり聞こえているだろうから小声でやり取りした。
おにぎりを食べていた父が
「代わるかお前寝ろ。身体もたないぞ」
と言ってあたしと場所を変わった。
「ちゃんと起こしてよ?起こしてくれないとあたしずっと寝ちゃうんだからね?」
「オレだって疲れるからちゃんと起こすから寝ろ。心配するな」
固い簡易ベッドに横になって母の呼吸音を聞いていた。
苦しそうで嫌だったけど気付いたら浅い眠りに落ちていた。
こんな時に寝れるなんて薬ってすごいと思う。