目を閉じたら一生起きないと思ってるみたいで母は瞬きしたら?と思うほどに目を見開いて息をしていた。


看護士がパジャマを着替えさせようとすると大暴れした。


着たくもないし触ってもほしくないし何より酸素マスクを取ってもらいたかったらしい。


「お母さんパジャマ着ないと風邪ひくよ?」


そう言ってみてもパジャマを着ようともしない。


仕方ないからバスタオルを胸や肩にかけてその上からパジャマをかけて布団をしっかり肩までかけた。


大変だけど、2人での付き添いは楽だと思う。


どちらかが様子を見ててトイレやタバコを吸いにも行ける。


あたしは母がマスクを外さない様に見ながら考えた。


明日は叔母が入ってくれるけど、明日以外は結局3人だ。


誰かが2泊連続での徹夜になる。


いや、一回仮眠を取って夕方に来ればなんとかいける。


「お父さん、あたし2回入るよ。付き添い中も寝るのはあたしだけだから」



「そっか。誰かが必ず2連続で入るのか。わかった、次はお前に2回入ってもらうから」



父はそう言って母がマスクを取らないように手を何度も元に戻した。