「・・・あたしは・・・あたしはこの病院も先生も一生恨みます。一生許さない。母を殺そうとしてるこのあなた達を絶対許さないから」
誰も何も言わなかった。
「母は自分に治療がされない事を疑問に思っています。どうするんですか?」
「もう何も打つ手がないのが現状です」
兄がボソっと呟いた。
「ビタミン剤を投与してもらえますか?」
父もそれに同意した。
「ビタミン剤の投与なら別に何の影響もないでしょう。少し体調が良くなるかもしれないし」
「わかりました。明日からビタミン剤の投与をします」
医者が頷いてからもう一度あたしの方を向いた。
「娘さん、本当に申し訳ありません」
「・・・謝られてもあたしはあなたを許さないから」
3人で席を立って病室に戻ろうとすると「娘さん待って」と言われた。
振り返ると看護士が「話がしたいの。ちょっといいかな?」と言われた。