「ユウヤが病院探しを諦めたってどういう事?」
旭川に住む叔母から詰問口調で電話がきた。突然に。
「え?」
間抜けな感じで聞き返したあたしに叔母はイライラをぶつける様に怒鳴った。
「あんた達、ノブを殺す気なのって聞いてるの!!」
母は叔父や叔母に「ノブ」と呼ばれていた。信子だから「ノブ」。
「そんな事ないよ。何でそんな事言うの?」
「ユウヤに連絡したら受け入れ先がないって言ったよ。だから諦めるの?あんた達このままノブが死んでもいいの?」
この言葉にはさすがにあたしも苛ついた。
兄が毎日どんな思いで病院を探して問い合わせて駆け込んで、そして断られて悲観してるかなんか知らないくせに・・・!!
「諦めてなんかないって!何も知らないでよくそんな事言えるよね?みんな何かしてくれた?何もしてくれないのに勝手な事ばっかり言わないでよ!」
あたしが怒るとちょっとビックリしたみたいで無言になった。
「受け入れ先は探してる。誰も諦めてないから」
叔母は多分何かを言ったと思うけど忘れた。今も思い出せない。