兄嫁が「千羽鶴を折ったらあたしのおばあちゃん頑張れたの」と言って、売店から千羽鶴の折り紙を買ってきた。


こんなものが売ってるんだと初めて知った。


それから来る人来る人がテーブルにある折り紙で千羽鶴を折った。


父は「不器用だから」と折るのに参加しなかった。


千羽鶴は最初は折るのに大変だけど、手持ち無沙汰な時間にいい時間潰しになる。


母が寝てしまった時なんか絶好の暇つぶしだ。


そして何より無心になれる。


折っては紙袋に無造作に投げ入れて新しい折り紙でまた折り始める。


折り紙が足りなくて売店の折り紙を買い占めた。


計算しても500と満たない。


入荷の確認をして、その間にも兄夫婦が文房具屋で買ってきて、売店に入荷したと同時に買い占めて千羽以上の紙を用意した。


お見舞いに来た人も母がすぐに寝てしまうから結構な暇つぶしで楽しんで折っていた。


回復を祈願しながら折っていたのは最初だけですっかりハマってしまって、家に持ち帰ってもあたしは鶴をずっと折っていた。