ちょうどお昼だからあたしは母に「スープ飲む?」と声を掛けた。


「うん。あ、それとサバ買っておいてくれた?」


「買ったけど、あたし作れないよ?サバの味噌煮」


「今から作り方言うからその通りに作りなさい」


母が作り方を説明してるのをメモを取る。


メモを取りながら、あたしは料理が得意な母から何も料理を教わっていなかった事に気が付いた。


今まで作っていたのは慣れた味の見よう見まね。

お袋の味をたくさん知っているのに作れない。



メモを見ながらサバの味噌煮に取りかかる。

母が食べたいと言っていたから。


臭みを取るのに梅干しを使うなんて知らなかった。


味を整えて煮込んでいる間、母はあたしが作ったスープを飲んでいた。


「ハル!ちょっと来て!」


呼ばれて和室に行くと眉間に皺を寄せている。


「ちょっと何か足りないと思うんだけど。それに肉団子が固い」


さっそくダメ出しが入る。