「秋本。あーきーもーと! おい、駄目教師! 起きろって! 今日は俺と遠藤の家に遊びに行く約束だろ。なーあ。朝食作っちまったぞ」
  
 

時刻は午前8時(日曜日)。
 
この日を楽しみにしていたせいか、早々6時から起床。

頃合を見計らって朝食の用意を済ませ、秋本を叩き起こしている真っ最中だった。

「約束は11時でしょ」

もう少し寝かせてとみの虫布団になるアラサーティーチャー。

むくれる俺は毛布をひっぺ剥がす。
が、全力で死守してくれる秋本は、鬱陶しいとばかりに上体を起こして、そのまま俺の腕を掴み、引き込んで四肢を拘束。おやすみなさいモードに入ってしまう。
 

コノヤロウ、俺は抱き枕じゃねえっつーの。

この体勢、冗談じゃねえぞ、おい。


胸でも掴んで驚かせてやろうか?

……秋本を起床させることには成功しそうだけど、同時に機嫌を損ねそうだ。やめておこう。


何が悲しくてアラサーと添い寝してるんだ、俺。

そのアラサーとキスしたのは誰か? いや誰でもない、この俺なんですが。
 

意味深に溜息をつく俺は、彼女を流し目にする。

満目一杯に映るあどけない寝顔…、いや、狸寝入り。

おい秋本、お前、実は完全に目覚めてるんじゃねえの?
あ、今笑いやがったな!


ぜってぇ起きてるっ、起きてやがる!
 

「セーンセイ」口元を引き攣らせる俺に対し、「喜ぶな喜ぶな」このエロガキ、秋本は教師からぬ暴言を吐いてくれた。

だあれがエロガキだ。胸を当ててるのはお前だろうよ。アラサーの体に喜ぶ15がいると思うか?

どっちかっていうとな、ピッチピチの十代後半から二十代前半にかけての女体を欲するぞ。熟女好きは別としてな(あれ…アラサーは熟女…?)。
 
それに所詮、男なんてエロイ生き物だっつーの。
寝込み、マジで襲うぞ。