「はぁあ?! あ、あ、あんただったの、遠藤! こ、こんなクサイラブレター書いたの、あんたなわけ?!」


わなわなと震えている秋本は犯人に最低だと呻く。

素知らぬ振りで軽く両手を挙げる遠藤は口笛を吹き、にへらへらと笑声を漏らす。まんま酔っ払いの態度だ。


「だって坂本を応援したくなってよ。ちょーっち手を貸したわけだ。
だけど今読み返すとクサイな。激笑える。んでもって、これをだーいじに取ってる秋本も一途だよなぁ」


「なッ…、え、え、遠藤ぉおおお!」

「なんですか? ツーンデレセンセイ」


もうついていけねぇや、アラサーの会話。

「ぶっ飛ばすわよ」バンバンテーブルを叩いて怒りを示す秋本と、「照れるなって」揶揄している遠藤を交互に見やり、俺は溜息をついた。


酔っ払い、すこぶるメンドクセェ。ほんとメンドクセェ。


だけどこの何気ない光景の中にも、俺の居場所は存在している。


どうしてだろう、そう思うと、とても心が暖かくなった。