私の日常にあんたが消えてしまった途端、なんだか胸が鉛のように重くなった。
いつものように明るく挨拶してくれる、私を好きって言ってくれた奴がいない。
登校してこない。姿を現さない。
日を重ねるごとに胸の重たさは増していった。
付き合おうと言ってくれた男の子には申し訳なかったけれど、お断りさせてもらった。付き合う気分じゃなかったから。
居ても立ってもいられなくってあんたを捜し始めた。
いつかは姿を見せてくれるって思ったのよ。
姿を見せたらまた、馬鹿みたいに好きって言ってくれるんじゃ…、今度好きって言ってくれたら、少し優しくしよう。
冷たい態度はあんまりだって自覚したし、優しくしてありがとうって言ってみよう。
そう思うようになっていた。
遠藤があんたを捜してるって知って一緒に捜すようになったわ。
あいつは後悔を滲ませていつも近所をうろついていた。
聞けば、家庭事情で悩んでいる親友に冷たくしてしまった。酷いことを言ってしまった。
だから真摯に謝りたい、仲直りしたいのだと教えてくれた。
家庭事情で悩んでいるなんて、そんな姿一抹も見せなかったのに。
いつも明るく接してくれていたあいつがそんな心の闇を持っていたなんて…、正直驚く他、術を見出せることができなかった。