そうだよな、お前にはお前の生活があるんだよな。

分かってる、俺という親友ばかりに気を向けておけないんだな。


―――…嗚呼、できることなら、15年間探し続けてくれたお前を傷付けたくない。

この現実を告げたくない。

だけどきっと隠す方が後々相手を傷付ける。


「あのさ」要件を告げようとした時、向こうから電話のベル音が聞こえた。 
『悪い』ちょっと切る、遠藤は慌てた様子で電話を切っちまいやがった。


仕事が立て込んでいるんだな。

社会人さんも暇じゃねえよな。


だから俺はもっぺん電話を掛けて留守電機能になるまで待つ。


んでもって、留守電メッセージにこうメッセージを籠めた。




「遠藤、あのさ。俺、お前の親友で良かった。本当に良かった―――…」