スタジオに入ってセッティングしていると、
「いいアンプ使ってるね・・・、実はスタジオ初めてだから」
と鈴木が言った。
「うちの店長音にはうるさいの。機材に投資するのも気にしない人だし」
今日は俺は必要ないよなーと思いながらボケーっとタバコを吸っていた。
「アサヒ!あんたもちゃんとセッティングしなさい!」
スティックで指されてビックリする。
「え?今日俺必要?」
「あのね、鈴木だってあたし達の音聴くの初めてなんだよ?あんたがボサーってしててどうするの!あんただって聴かせなきゃ鈴木が信用してくれないでしょ」
「うん、アサヒがどの程度まで弾けるのか知りたい」
鈴木が言った。
「だけど、俺は優雨や鈴木とレベル違いすぎると思うけど・・・鈴木はわかんないけどさ。でもベースオタク言ってるし」
「レベルなんてどうでもいいの!アサヒの気持ち一つの問題なんだから。ほら、さっさとギター出して!」
優雨の剣幕に俺もギターをだしてチューニングを始めた。
「さて、全員スタンバイOKだけど何やろうか?」
腰に手をあてて優雨が言った。
「何って、だから俺あんまり弾けないって」
「アサヒ、うるさい。鈴木は何が好き?それに合わせてあたし叩くけど」
「僕は○○○○ってバンドのベーシストを崇拝してるから出来ればその中からがいいかな・・・」
「わかった。今日IPODある?」
鈴木が優雨にIPODを渡すと機材のどれかに繋いだ。