能面令嬢と闇の当主 〜愛のない契約結婚のはずでした〜


「それで、護さん。白花さんですが…帝や加護者達の見立てでは、先天的に基礎的な加護は使えるようなのです」
「先天的? それはどういう類いのものですか?」

仁美の説明に護が興味を示せば、白花に尋ねた。

「わ、私も…上手くは説明できなくて…その…」
「ふむ…では、医療隊へ行ってみませんか?」
「えっ…!?」

言葉に出来ず、膝の上で手をもじもじと動かす白花。
護は顎に手を添えるとハッとした。
治安会には、攻撃隊と特務隊という前線に立つ部隊が異常に備えて毎日鍛錬をしている。
そして、鍛錬をしていると怪我をしている者もいる。
実践で見る事を考えたのだ。

「命の加護をこの目で見られる…これほど興味深い事はありません」

嬉々として話す護。
しかし、白花は不安そうに首を横に振った。

「でも、私…っ。今、出来るのか…これまでだって、たまたまだったのかもしれないし…」
「その時はその時。曖昧なままで議論を重ねるより、実際に見た方が早いです」

護の言葉に、グッと言葉が出なくなった。

「私を頼って来てもらった手前、言いにくいですが…前任の命の加護者はたしかに十二年前、医療隊に協力してくれることはあったーーが、さすがに詳しい事はのっていなかったはず…」

立ち上がり、本棚から資料を出す護。
頭に入っているが、類い稀な事例に再度資料を確認しこくりと頷いた。