能面令嬢と闇の当主 〜愛のない契約結婚のはずでした〜


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護の作業部屋に入った仁美、朔、白花。
部屋に足を踏み入れた瞬間、護の几帳面さが伝わってきた。整理整頓が隅々まで行き届いている。
本棚に並ぶ書物は五十音順に並ぶだけでなく、一冊の乱れもなく厚さや高さまで揃っている。
さらに、部屋は埃一つない掃除が行き届いた場所。
部屋に入るなり、護は嬉々として仁美と話している。
その間、朔は白花と仁美の様子を伺っていた。
一方、白花は難しそうな書類の並ぶ棚をじっと見ていた。

(難しそう…博識な方の読む本、といった感じ…)

そんなことを考えていると、「こほん」と護が咳払いをした。

「ところで仁美嬢」
「はい? どうなさいました?」
「そちらのご令嬢は? お初にお目にかかりますが?」

ご令嬢、と言われれば白花しかおらず、本棚から護の方に目を移した。

「そちらは、黒宮 白花さんです」

朔の姓で呼ばれると、それだけでドキッとした。
昨日、役所で書類を提出しただけの事務的なもので実感が薄かった。
紹介されると、白花も会釈をした。

「初めまして、く…黒宮ーー」
「仁美嬢。あまり治安会に部外者を入れるのはお控え頂きたいのですが」

改めて名乗る前に遮られてしまうと、すぐに口を閉じる白花。