「…えぇ、勿論。ぜひ仁美嬢の話も伺いたい。それでは、私の部屋へと参りましょう」
先ほどまでの険しい表情が、嘘のように崩れた。
目を細めじっと彼女を捉えて離さない。
その眼差しは、まるで特別な想いを抱いているかのようだった。
護が先に歩き、朔が仁美の耳元に顔を近付けた。
「…申し訳ありません、甘楽様。お気を使わせて」
「構いません。これが一番手っ取り早いですから」
こそっと仁美の耳元で呟けば、仁美も合わせて小声で伝えた。
「仁美嬢。いかがなされた?」
「何でもございません。すぐに参ります」
ふと振り返れば、遠い場所にいる仁美達に声をかけた。
護を待たせないよう、仁美達は駆けた。
「清谷様はあのようなお方です。興味がある者には、驚くほど丁寧になります」
「興味が…」
状況を掴めない白花に、朔が丁寧に伝えた。
仁美への恋慕かと胸の内に秘めようとしたが、朔に否定された。
「恋慕ではありません。研究対象、ですよ。彼は色々な知識を持っているけれど、特に治癒や人を守ると言うことに目がないようで」
「研究対象…」
「えぇ。きっと、白花様にも同じ事をされますからーーご注意ください」
朔にそう言われれば、白花はこくりと頷いた。

