「それより、服部様。随分とお忙しい特務隊の隊長様が私達のお相手をするだなんて、今日は平和なのかしら?」
穏やかに尋ねるが、宗介の眉がピクリと動いた。
「いやぁ、実は昨日…せっかく情報を聴取できそうな者を、異能で半日以上気絶させた者がいまして…ねぇ? 黒宮殿」
昨日の事を問われれば、露骨に怪訝な顔をして宗介から顔を逸らす朔。
「そのおかげで、調査隊からは大目玉ですよ…加減というものを知らないのですかね」
「…貴様がさっさと来ないのが悪いのだろう」
朔を一瞥しながら言う。
朔も宗介の一言に反応し、昨日の続きが始まりそうになった。
今日は大がいない。
このままでは、どうなってしまうかと不安な気持ちになる白花。
しかし、二人の会話の終焉は思わぬ形で訪れた。
「おい、汚物。貴様、ここで何油を売っているんだ」
背が高く、すらりとした細身。
しかし、本を抱える腕には程よく鍛えられた筋肉が浮かんでいた。
メガネの奥に映る瞳には一つの意思に忠実さが現れているようだ。
そんな彼が呆れたように宗介に言った。

