「白花様…だいじょうぶ?」
大きな瞳に溢れそうな涙を浮かべるのは、七歳になったばかりの小春。
つい先日異能が開花し、桜庭家で修業を始めたばかりの七歳の少女だ。
「大丈夫です…それより、私に構っていたらまた何を言われるか分かりません。だから、」
「白花様が大変なのはわかってるの…でも、あのね…」
つたない言葉で、もじもじとしながら必死に伝える姿。
その様子がただならないと分かると、小春の後をついて歩いた。
「これは…」
木の塀近くにある草の茂み。
その中に、弱った小鳥が今にも息絶えそうになっている。
「ねっ、お願い。白花様…この前みたいに…!」
小春が言い終える前に、白花がそっと小鳥を包み込むように手で囲った。
そっと目を閉じ、手が熱くなった。
(大丈夫…あなたはまだ、生きられる…)
心の中でそっと念じると、手から神秘的な温かい光がじんわりと放出された。
それに包まれると、小鳥は何事もなかったように羽を羽ばたかせて大空へと飛び立った。
「わぁ…! さすがは白花様…!」
「小春様がそうおっしゃいますか?」
白花とは違う。
これから多くの人を助け、世界に必要とされる人になる。
少なくとも、白花はそう思っていた。

