「お前達は何を申している…規律を守らねば、また十二年前と同じ事が起こるだろうが…!」
拳を握り、ワナワナと震え怒りのあまり目にはうっすらと涙を浮かべていた。
「正の意見は頷ける」
「帝…!」
「しかし、仁美の意見にも一理ある。それで処されては、白花が不憫すぎるであろう。大人の陰謀に巻き込まれ、今日まで生きてきたのだ。それは理解してやってくれ」
正はわずかに表情を緩めた。
しかし次の瞬間、悔しそうに唇を噛み締める正。
「ただ、このままというわけにもいかない。白花の身に危険が迫るのも時間の問題だ」
白花は、宮城へ来る前に起きた出来事まで見透かされたような気がした。
皆その先の言葉を息を飲んで待った。
「ーー朔」
「はい」
「お前、想い人はいないな?」
帝の言葉に少し言葉が詰まったが「は? …はい」と遅れて返事をした。
「それなら、朔。白花を嫁として迎え入れるのだ」
「…帝。お言葉ですが」
一瞬、息を飲みすぐに口を開き断ろうとした。
けれど、帝がそれを許さなかった。
「朔。御三家である其方の役目を申してみよ」
「加護者をお守りする事です」
帝の問いにそう返せば、帝は目を細めた。

