「誰が口をきいて良いと言ったの?」
「っ…」
梅がギロリと鋭い眼光で白花を睨みつけた。
手には開いていない高級な扇子。
それで叩かれた白花の頬は赤くなり、口の中に鉄の味が広がった。
叩かれた頬を押さえたまま、恐る恐る顔を上げると眼光は一層鋭くなりギリッと奥歯を噛み締めた。
「っ…何よ、その目!」
扇子を振りかぶれば反対側の頬を力任せに引っ叩いた。
「あっ…」
その力に負け、白花の体は横たわった。
ぎゅっと目を閉じて時が過ぎるのを待とうーーそう思ったが、足音が近づいてきた。
「あらぁ? お母様、何をしていらっしゃるの?」
この状況にも関わらず、ニタニタと口角を上げて近付いて来た紅葉。
その声に、白花の体はビクッと震えた。
「紅葉、聞いてちょうだい。この醜女と来たら…わざと私にぶつかって来たのよ?」
「えぇっ!? お母様にそんな事をなさるなんて、信じられなぁい!」
嘘を交えた話をする梅に大袈裟に乗る紅葉。
「違います」と、口にできなくなって久しい。
横たわったまま身を縮め、嵐が過ぎるのを待った。
すると、今度は尻肉を目掛けて扇子を振り下ろした。
ビシッと音が鳴り白花の体が震えた。

