「貴様…どういうつもりでご令嬢を狙った?」
「チッ…テメェに言うわけねぇだろ!」
腕を捻りあげられ、涙目になりながらも黒宮の問いには悪態をついて答えようとしない。
すると、オーラを纏った男に視線を移した。
「ーー剛力様」
「お? どうした?」
男二人を木に縛り付けながら黒宮に答える剛力。
「少しだけ…ご令嬢を任せてもよろしいですか?」
「あ? あぁ、こっちは片付いたから良いけど、お前…まさか」
「この戯けを野放しにはできませんから」
ギロリと鋭く男を睨みつけると、黒宮は手から黒い靄を放出させた。
靄は二人を包み込むとその場から姿を消した。
「…消えた?」
「あーあ…あの男も黒宮殿に捕まった段階で強がるのやめれば良かったのに…」
呆然としている白花の近くで、剛力はぼそりと呟いた。
「それより、アンタ大丈夫か?」
「えっ…あ、はい…私は、なんとか」
先程まで呼吸出来なくなっていた白花の容体を尋ねるが、表情を変えずに答える彼女に剛力はにやりと口角を上げた。
「そうかそうか! そりゃあ、男前にあれだけ熱烈な接吻をされりゃあ目も覚めるわな! ガハハ!」
豪快に笑いながら言う彼に、白花は動じることなく「…そうですか」と短く答えた。

