「呼吸が…浅い」
白花の口元にそっと手を当てると、ほとんど息をしておらず黒宮は眉間に皺を寄せた。
そして、すぐ彼女に顔を近づけた。
うっすらと白花が目を開ければ、唇が重なりそうになった瞬間。
「貴女をお救いする…その為ですから」
そっと唇を重ね、人工呼吸を始めた。
すると、しばらくして「かはっ!」と悶絶する声に混ざり白花から水が吐き出された。
「はぁっ…は、ぁっ…」
呼吸ができていなかった分、大きく息を吸い込み肩で呼吸を繰り返した。
「…よかった」
黒宮が安堵の息を吐いた。
「俺の声、聞こえますか?」
「は、い…っ。あの…っ」
助けられた事すら理解できず、尋ねようとしたがドスン!と音がすればすぐ近くに男が降ってきた。
オーラを纏った男が、敵を此方側へぶん投げたのだ。
「しまった…! すまん、黒宮殿…!」
「っ…!」
男が黒宮に謝ったが、投げた男はヨロヨロと立ち上がり手には刃渡り十センチ程の小刀が握られている。
(殺される…!)
弱々しく後ろへ下がったが、その心配は無用だった。
「なっ…!」
黒宮から放たれた漆黒の影が立体的に浮かび上がり、男の手を掴んだ。
漆黒の影は男の腕を捻り上げ、小刀を地面へ落とした。
「いでででっ!」
男は悶絶した。

