君と綴る未来 一余命僅かな彼女と一


 夢のようなひと時は終わり、病室へと戻る。
 こいつはかなりムリをしていたらしく、後に熱を出し寝込んだと聞いた。

 やはりムリをさせるべきではなかったと後悔に苦しんだが、あいつの母親より熱にうなされながらも「夢のようだった」と時折呟いていたらしい。だから、ありがとうと。

 夢のようだったのは、俺の方だよ。
 スマホの写真を見返せば、桜より見目麗しいこいつと、ブスッとした表情で写っている俺。
 こいつの母親にと写真を撮っていたら、「良かったら撮ろうか?」と声をかけてきた親切な人。おかげで俺まで写真に写ることになっちまったじゃねーかよ。しかもこいつは「ありがとうございます。こっちのスマホでお願いします」と、上手いこと自分のスマホで頼みやがって。

「だって直樹くんのスマホで撮ってもらったら、転送前に黒塗りされそうなんだもん」
 そう言い切ったあいつは、俺の心をエスパーのごとく読んでくる。全く困ったやつだ。

 写真に写っているこいつを、俺はただ眺めていた。早く熱が下がることを願いながら。