雪がチラつく一月中旬。学校が終わった俺が向かうのは、いつも同じ場所。もう、すっかりお馴染みの場所。そこは。
「直樹くん。今日も来てくれたの?」
マスク越しでも分かる、この笑顔。俺にとっての安らぎの場所。
「俺は監視役だから。無理させないと、お前の母親と約束してるからよ」
「うん。ありがとう」
こいつは ふふっと笑い執筆の進行具合を話してきて。俺は学校であったこと、こいつの友達は元気にしていると現状を軽く話す。
一息吐くと、こいつはパソコン。俺は学生鞄より分厚い本を取り出して、互いに黙り込む。
治療クールが終わり、病状も安定してきたこいつは、精力的に書いている。それこそ二時間でも、三時間でも。
健康な俺が疲労を感じる頃、こいつは変わらずパソコンに向かい黙々と文章を打ち込んでいる。そんな姿に。
「あー! 分かんねー!」
と叫んでみる。
「あ、やっぱり受験勉強って難しいんだ? 私そうゆうの分からなくて」
そう返してきたこいつが、見てくるのは俺の持つ分厚い本。参考書だ。
こいつが頑張っているのに、俺がサボるわけにはいかない。そんな思いも相まっで何もやってこなかった勉強を、ガラにもなくやっている。
「おい! パソコン貸してくれよ。調べた方が早いからよ」
「うん。ちょっと待ってね」
一区切りついたところで貸してくれ、こいつはギャッジを上げたベッドにもたれ、ふぅっと小さく溜息を吐いた。
マスクで全面は見えないが、血色が悪いのは見てとれた。
「あ? よく分かんねーな。悪いが時間かかりそうだ。寝て待っててくれねーか?」
「そお? うん、分かっ……」
言葉に詰まったこいつは、閉じていた目をパチリと開け、俺を見つめてくる。
そして。
「ありがとう」
微笑むその姿は、早い春の訪れと錯覚させてくる。
「何で貸してくれた方が、言ってるんだよ!」
俺はプイッと顔を背ける。
……もし、このニヤついた顔を見られでもすれば。
考えただけで赤面ものだった。
「直樹くん。今日も来てくれたの?」
マスク越しでも分かる、この笑顔。俺にとっての安らぎの場所。
「俺は監視役だから。無理させないと、お前の母親と約束してるからよ」
「うん。ありがとう」
こいつは ふふっと笑い執筆の進行具合を話してきて。俺は学校であったこと、こいつの友達は元気にしていると現状を軽く話す。
一息吐くと、こいつはパソコン。俺は学生鞄より分厚い本を取り出して、互いに黙り込む。
治療クールが終わり、病状も安定してきたこいつは、精力的に書いている。それこそ二時間でも、三時間でも。
健康な俺が疲労を感じる頃、こいつは変わらずパソコンに向かい黙々と文章を打ち込んでいる。そんな姿に。
「あー! 分かんねー!」
と叫んでみる。
「あ、やっぱり受験勉強って難しいんだ? 私そうゆうの分からなくて」
そう返してきたこいつが、見てくるのは俺の持つ分厚い本。参考書だ。
こいつが頑張っているのに、俺がサボるわけにはいかない。そんな思いも相まっで何もやってこなかった勉強を、ガラにもなくやっている。
「おい! パソコン貸してくれよ。調べた方が早いからよ」
「うん。ちょっと待ってね」
一区切りついたところで貸してくれ、こいつはギャッジを上げたベッドにもたれ、ふぅっと小さく溜息を吐いた。
マスクで全面は見えないが、血色が悪いのは見てとれた。
「あ? よく分かんねーな。悪いが時間かかりそうだ。寝て待っててくれねーか?」
「そお? うん、分かっ……」
言葉に詰まったこいつは、閉じていた目をパチリと開け、俺を見つめてくる。
そして。
「ありがとう」
微笑むその姿は、早い春の訪れと錯覚させてくる。
「何で貸してくれた方が、言ってるんだよ!」
俺はプイッと顔を背ける。
……もし、このニヤついた顔を見られでもすれば。
考えただけで赤面ものだった。



