君と綴る未来 一余命僅かな彼女と一

 夕方五時、空にオレンジと紫が混じる黄昏時。
 家庭科室にある大型冷蔵庫に食材をぶち込み、買い出し係の仕事が終わる。

「お疲れー。帰ろうか?」
 女子共の声はやたら浮ついており、何かあるのだと察せられる。
 まあ、別に俺には関係ねーし。そう自分に言い聞かせ、こいつらに手伝ってくれた礼も告げられず家庭科室から出て行く。

「藤城くん、落としたよ?」
 そんな俺に駆け寄ってきたこいつは、四つ折りにされた紙切れを俺に差し出してきた。

「はぁ? 俺のじゃねーし」
 そう断言出来たのは、それがピンクの紙色だったからだ。

「じゃーね」
 あいつは話など聞いておらず、俺の手に握り締めさせたかと思えばグループに戻って行きやがった。
 何だ、あいつ?
 いつもの俺なら一軍女子から渡された物なんてトラブルの元になるからと開かないが、指は衝動的に動いていた。
 ん?
 紙切れは横線の便箋であり、内容は文章でも手紙でもなく、ただの買い物メモだった。



落花生
海苔

蜜柑
金柑
味醂
ちくわ
デザート
マスカット
月見団子
ティラミス
豆大福
スイーツ

「……なんだこれ?」
 あいつは一体何を考えているのか?
 紙切れを見つめ、呆然としてしまった。