「高崎さん、ごめん、そろそろ終電の時間だよね。また明日、ミーティングの続きしよう。お疲れさま」
長期インターン先の先輩がミーティングを切り上げる。今日もまた終電コースだった。プロジェクトを任されている先輩は「ザ・しごでき」という感じで、かつ仕事が好きなようだ。大学院で研究をしながら、インターンをしているらしい。そのため、いつも遅い時間にこうしてミーティングを入れてくる。
尊敬はしているし、仕事への向き合い方は見習いたいと思う。でも、みんながみんな、先輩みたいに仕事に全力を尽くしたいわけではないし、さまざまなひとがいることを知ってほしいとも思う。
先輩はもう少し残るようだ。私はpcや資料をリクルートバッグにしまい、お先に失礼します、と言ってオフィスをあとにした。
駅までの道を急ぐ中で、疑問が浮かび上がってくる。
——私、このままでいいのかな。この先、どうすればいいんだろう。もっとちゃんと就職先、考えないといけないんだろうけれど、よくわからないや。
就活サイトや大学の先輩に言われるがまま、大手企業に就職するために就活を頑張っている。でも、これでいいのだろうか、という不安が尽きない。再来年から毎日こうやって仕事三昧になることを考えると、どうにも憂うつになるのだ。
考えても仕方ないこと、と割り切って、早く家に帰ることを優先することにした。
オフィスの最寄りから新宿までの電車に乗る。シンデレラの魔法が解ける時間だというのに、あたりは見るからにクタクタにやつれた社会人たちばかり。自分もいずれこうなるのかもしれない、なんて最悪の未来を予想してしまう。
新宿での乗り換えは慣れきっている。何も考えず、標識も見ずに歩く。周りのひとたちも同様だ。みんな、疲れ切った顔で何も考えずに歩いているように見える。
西武新宿駅の改札を通り抜ける。PASMOに反応してピッと音が鳴るのにも、もう慣れきってしまった。私はすっかり都会に染まったみたいだ。
ほどなくしてホームに滑りこんできた各駅停車に乗りこみ、端っこの席に腰かける。時間帯もあいまってか、車両はガラガラだった。
電車の揺れに睡魔がやってくる。だめ、ここで寝すごしたら帰れなくなってしまう。そう思って必死に抗ったけれど、耐えきれずにこっくりこっくりし始めてしまった。
長期インターン先の先輩がミーティングを切り上げる。今日もまた終電コースだった。プロジェクトを任されている先輩は「ザ・しごでき」という感じで、かつ仕事が好きなようだ。大学院で研究をしながら、インターンをしているらしい。そのため、いつも遅い時間にこうしてミーティングを入れてくる。
尊敬はしているし、仕事への向き合い方は見習いたいと思う。でも、みんながみんな、先輩みたいに仕事に全力を尽くしたいわけではないし、さまざまなひとがいることを知ってほしいとも思う。
先輩はもう少し残るようだ。私はpcや資料をリクルートバッグにしまい、お先に失礼します、と言ってオフィスをあとにした。
駅までの道を急ぐ中で、疑問が浮かび上がってくる。
——私、このままでいいのかな。この先、どうすればいいんだろう。もっとちゃんと就職先、考えないといけないんだろうけれど、よくわからないや。
就活サイトや大学の先輩に言われるがまま、大手企業に就職するために就活を頑張っている。でも、これでいいのだろうか、という不安が尽きない。再来年から毎日こうやって仕事三昧になることを考えると、どうにも憂うつになるのだ。
考えても仕方ないこと、と割り切って、早く家に帰ることを優先することにした。
オフィスの最寄りから新宿までの電車に乗る。シンデレラの魔法が解ける時間だというのに、あたりは見るからにクタクタにやつれた社会人たちばかり。自分もいずれこうなるのかもしれない、なんて最悪の未来を予想してしまう。
新宿での乗り換えは慣れきっている。何も考えず、標識も見ずに歩く。周りのひとたちも同様だ。みんな、疲れ切った顔で何も考えずに歩いているように見える。
西武新宿駅の改札を通り抜ける。PASMOに反応してピッと音が鳴るのにも、もう慣れきってしまった。私はすっかり都会に染まったみたいだ。
ほどなくしてホームに滑りこんできた各駅停車に乗りこみ、端っこの席に腰かける。時間帯もあいまってか、車両はガラガラだった。
電車の揺れに睡魔がやってくる。だめ、ここで寝すごしたら帰れなくなってしまう。そう思って必死に抗ったけれど、耐えきれずにこっくりこっくりし始めてしまった。



