『願いを叶えるカプセルトイ』をご存知だろうか?
神奈川県川崎市にある某地域で一時期話題になったとある噂話である。が、実際にあるカプセルトイが元ネタになっている。今回は『願いを叶えるカプセルトイ』の噂が本当なのかどうか、その真相を暴いていきたい。

そのカプセルトイを製造したのはおもちゃメーカーの株式会社ファンスタジオ。
1950年代から1990年代まで存続していたものの、2000年に会社は倒産している。そんな会社が製造した『願いを叶えるカプセルトイ』は1970年代に川崎市のとある地域を中心に設置されて、一時的に子どもたちの間に流行っていたそうだ。
カプセルトイは今でこそ高価な遊びになりつつあるが、当時は子どものお小遣いで気軽に回すことができた。価格が高騰しているのはここ十年、二十年のことだろう。
カプセルトイが日本に登場した当初はなんと十円、二十円で回すことができたそうだ。それから、1970年代になると一回百円ほどのものが出てきた。当時からすればこの百円のカプセルトイはかなり豪華版といったところだろうか。でもまあ、小学生でお小遣いをもらっていれば毎月一回ぐらいは回せただろう。

件の『願いを叶えるカプセルトイ』を製造した株式会社ファンスタジオは、当時こんな広告を出している。

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〜ねがいをかねえるカプセルトイ〜

このカプセルトイを回すとかならずねがいがかなうよ☆
おともだちといっしょに、カプセルトイをまわそう!
どんなにんぎょうが出てくるかな?
にんぎょうのしゅるいは、ぜんぶで5しゅるい!
出てきたにんぎょうを、ずっとずっと持っていてね。
ねるときもいっしょだよ。
だれにも取られずに1かげつかん持っていたら、ひとつだけねがいがかなうよ。
さあ、みんなで回してねがいをかなえようっ。
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見て分かる通り、さすがに誇張表現がすぎるだろう。
“必ず願いが叶う”なんてそんなことがあるわけないのだ。
景品表示法に違反しているとして、この広告はすぐに撤去された。が、たまたま保管していた商店が情報を提供してくれた。

さて、この広告がうたっているように、『願いを叶えるカプセルトイ』として売り出された例のカプセルトイだが、実はこのカプセルは“恐怖の呪いのカプセルトイ”としていま、子どもたちの間で話題だそうだ。

なんでも、カプセルトイの人形を落としたり誰かに取られたりすると、願いが叶うどころか、呪いが降りかかるという噂だ。
呪われた人間はカプセルトイの人形のように身体が小さく縮んで死んでしまうという。さらに、カプセルトイの人形が死んだ人間に成り代わってそのひととして振る舞い始めるとかなんとか……。
すべて作り話かと思うだろうが、実は実際に“身体が小さく縮んで死んでしまう”事件が過去に起きている。

『縮小事件』という事件をご存知だろうか。
1999年に起きた事件である。三十代の主婦の女性が、川崎市内にある商店街の路上で痙攣しながら倒れ、息を引き取ったという。それだけ聞くと病死かと思われるが、搬送された先の病院で、彼女の身長が10cm以上も縮んでいたことが判明したそうだ。原因は不明。呪いや怪奇現象ではない限り、説明がつかないことなのだ。

さらに筆者はこの『願いを叶えるカプセルトイ』もとい、『呪いのカプセルトイ』について調べを進め、とある事実を掴んだ。
株式会社ファンスタジオの元社員にインタビューをすることができたのだ。

そのひととのインタビューを文字に起こしている。次のインタビュー記事を見て欲しい。