先生を殺した二文字の言葉

 ボロボロの英語の教科書は、自殺を選んだ先生に預けよう。
「先生、どうして死ぬことを選んだんですか。あの時私に言ったことは、やっぱり間違っていたってことですか——」
 問うても、あの綺麗な声は返ってこない。
 私は、綺麗ごとが蔓延する教室をこの世界から消す。表面上平等に扱う教育ではなく、平等に現実を突きつける教育を選ぶ。それが正しいと証明するために、私は残りの人生を捧げると誓おう。
 崇めていた高梨先生との明確なお別れだ。私はいつものように——いや、少し丁寧に、幻想の高梨先生を刺して祈った。
 「死ね——」