この頃の惑星Nは、二大大国と長国が核兵器を保有していた。特にアタリヤ合衆国を挑発し、瀬戸際外交をしていた北豚汁は、秘密裏に核兵器を開発し保有してしまったのである。北豚汁の銀誤恩将軍とアタリヤ合衆国大統領ドナルゾ・シュリンプは、第三国で臨時の首脳会談を電撃的に開き、一度は北豚汁の核開発はこれ以上進めないという話にまとまった。しかしアタリヤ合衆国大統領から、ドナルゾ・シュリンプが失脚するや否や、北豚汁は次のドイテン大統領の弱腰姿勢を馬鹿にし、再び核開発を始めたのである。

 そしてもうひとつ問題が浮上してきた。大国アラシヤ連邦によるツライナ連邦への軍事侵攻だった。アラシヤ連邦は、寒冷地にあり、歴史的にも他国の領土を不法に奪ってきた。J国の北に位置するデッカイ道のすぐ北の島々、鉄砲領土も不法占拠の状態が長年続いていた。

 ついにアラシヤ連邦は、ツライナ連邦へ軍事侵攻した。アタリヤ合衆国の大統領になっていたドイテン大統領は、アラシヤ連邦と直接戦う選択肢をすると、核戦争になることが想定できた。よってツライナ連邦には、後方から武器を寄贈し、援助するという弱気外交を始めた。しかしこれしか核戦争を回避する方法が見当たらなかった。

そんな中、シュリンプ大統領が再選すると、状況が一変する。シュリンプは、アラシヤ連邦の独裁者、ユーチンと仲が良かったのである。そしてツライナ連邦への武器の供与を即時止め、侵略国のアラシヤの主張通りに、領土を奪わせて停船させた。このやり方でアラシヤ連邦が他国を侵略するたびに、アタリヤ合衆国のシュリンプは、小国に我慢をさせるようになる。

こうして長年アラシヤ連邦による小国への軍事侵攻に加担する形で、シュリンプは核戦争を回避してきた。しかしそんな中、小国は我慢の限界に達してきた。彼らは小国連盟を結成し、秘密裏にどんどん核武装していった。そして唯一の被爆国のわがJ国も、止める人がいなくなり、ついに核武装した。

こうして惑星Nは、力による平和バランスで成り立つようになった。どこかが、バランスが崩れてしまえば、即座に崩壊するのが力による平和である。そしてとうとう長年アラシヤ連邦の脅威に苦しめられてきた、様々な小国は一致団結して、アラシヤから領土を奪い返そうと攻撃を始めた。核を使うことも辞さない。やむを得ない。そうアラシヤ連邦に宣戦布告した。これらの小国の中に、でっかい道の北の鉄砲領土を奪われた我がJ国も入っていた。

一方アタリヤ合衆国では、このような事態を招いたシュリンプ大統領の外交姿勢を野党は責め始めた。また、アタリヤファーストの政策もことごとく、世界から反感を買って、失敗に終わった。