スリーカウントで
   ステージに踊り込む
   こめかみの痛みも左胸の痛みも
   一瞬で霧散する
   だけど手渡してもらった言葉だけが
   消えずに残ってる

   「エビアンを持つ手も好き
   君のまるごとが好き」

   5本の指先を大地に重ね
   無重力だと思わせるダンスをしながら
     僕らの10本の指先が
   互いに重なるといいなと祈ってた

   ヴェローナのあの2人と
   重ね合わせないでほしい
   鮮やかな魚が泳ぐ水槽越しの恋人の
   運命の行方を知っているから

    住む世界が違うだなんて
   言わせておけばいいじゃない
   僕は君を想い続ける
   踊ることを止めないように


   七色の虹が描かれたTシャツ
   まくれて素肌を見られても気にはならない
   ステージの相手みたいに
   タトゥーはいれてない

  
   ウェストサイドストーリーと
   だぶらせないでいてほしい
   確かにそんな世界で生きる
   僕には似合いの物語だけど

   僕は逆さまでフリーズしながら
   君と空とを見上げてるんだ

   「エビアンを持つ手も好き
   君のまるごとが好き」
   君がいなくなった 夜明けの街角で
   この言葉を聴いた時の影の色と形を
   僕はずっと忘れないでいる