バイト中にも関わらず出てしまう大きな欠伸。
眠すぎて頭が回っていなかった。
今日もレジのペアはそうさん。
エコのためにとエアコンを控えめにしている分店内はかなり寒かった。
今日の店内は色が騒がしい。
”バレンタインセール! ”
そう大々的に歌っているチラシが店内のそこら中に張られていた。
バレンタインなんて、浮かれないでよ。
こっちはそれどころじゃないっていうのに。
サークル事、ゼミの事、バイトの事。
そしてまだ終わりの見えない就活。
企業の人に厳しい言葉をかけられることも多かった。
皆より少し早めに始めていたはずなのにいつの間にか抜かれている。
将来が真っ暗でこの先、生きていけるのかが不安。
1つでも手ごたえがあれば少し自信になったと思う。
いわゆる成功体験。
でも”私って必要とされてないんだ”という事実が私を必要以上に苦しめた。
昨日受けた面接で聞かれたことをそうさんはなんて答えるんだろう。
私はその質問で止まってしまって答えることが出来なかった。
「そうさんって苦手なタイプなんですか」
待って待って。唐突すぎた....。
なんの脈略もなくこんな質問、困るに決まってる。
頭の中で考え込んでしまって前置きをすっ飛ばしてしまった。
「す、すみません。いきなりこんな」
そうもごもごする私をよそに
「苦手なタイプ? 」
静かにそんな声が降ってきて、そうさんは少し下を向いて「うーん」と考えた。
まだお客さん達は買い物に夢中で、考える時間はたっぷりあったけどわりかしすぐにこちらを向いて
「ネガティブな人」
という大爆弾を私に投げた。
それは私がネガティブな性格だと知って嫌味で言っているのかシンプルにそういう人が苦手なのかどっち?
「なんでそんなこと聞くの? 」
そりゃそうだよね。私も同じこと聞かれたら同じこと聞くよ。
「昨日、企業から聞かれて。あ、面接で。私応えられなくて」
「面接でそんなこと聞かれたことないんだけど。こんなん適当に応えときゃいいでしょ」
思った以上に冷たい返しに心がピリつく。
「すみません....」
勝手に否定された気になって分かりやすく落ち込んでしまう。
それに気が付いているのかいないのかは分からないけど
「ふたばさん、優しいから簡単じゃないか」
フッと笑って言うその顔に知らない感情が渦巻いた。
「い、いらっしゃいませ」
キュッと小さくなった心臓をいったん無視する。
眠気は吹き飛んでいた。
そうさんはまたいつもの感じに戻って
「袋、よかったら入れますよ」
なんてお客さんに不器用な笑顔で話しかける。
今、知らない感情に翻弄されているのは私だけだった。
眠すぎて頭が回っていなかった。
今日もレジのペアはそうさん。
エコのためにとエアコンを控えめにしている分店内はかなり寒かった。
今日の店内は色が騒がしい。
”バレンタインセール! ”
そう大々的に歌っているチラシが店内のそこら中に張られていた。
バレンタインなんて、浮かれないでよ。
こっちはそれどころじゃないっていうのに。
サークル事、ゼミの事、バイトの事。
そしてまだ終わりの見えない就活。
企業の人に厳しい言葉をかけられることも多かった。
皆より少し早めに始めていたはずなのにいつの間にか抜かれている。
将来が真っ暗でこの先、生きていけるのかが不安。
1つでも手ごたえがあれば少し自信になったと思う。
いわゆる成功体験。
でも”私って必要とされてないんだ”という事実が私を必要以上に苦しめた。
昨日受けた面接で聞かれたことをそうさんはなんて答えるんだろう。
私はその質問で止まってしまって答えることが出来なかった。
「そうさんって苦手なタイプなんですか」
待って待って。唐突すぎた....。
なんの脈略もなくこんな質問、困るに決まってる。
頭の中で考え込んでしまって前置きをすっ飛ばしてしまった。
「す、すみません。いきなりこんな」
そうもごもごする私をよそに
「苦手なタイプ? 」
静かにそんな声が降ってきて、そうさんは少し下を向いて「うーん」と考えた。
まだお客さん達は買い物に夢中で、考える時間はたっぷりあったけどわりかしすぐにこちらを向いて
「ネガティブな人」
という大爆弾を私に投げた。
それは私がネガティブな性格だと知って嫌味で言っているのかシンプルにそういう人が苦手なのかどっち?
「なんでそんなこと聞くの? 」
そりゃそうだよね。私も同じこと聞かれたら同じこと聞くよ。
「昨日、企業から聞かれて。あ、面接で。私応えられなくて」
「面接でそんなこと聞かれたことないんだけど。こんなん適当に応えときゃいいでしょ」
思った以上に冷たい返しに心がピリつく。
「すみません....」
勝手に否定された気になって分かりやすく落ち込んでしまう。
それに気が付いているのかいないのかは分からないけど
「ふたばさん、優しいから簡単じゃないか」
フッと笑って言うその顔に知らない感情が渦巻いた。
「い、いらっしゃいませ」
キュッと小さくなった心臓をいったん無視する。
眠気は吹き飛んでいた。
そうさんはまたいつもの感じに戻って
「袋、よかったら入れますよ」
なんてお客さんに不器用な笑顔で話しかける。
今、知らない感情に翻弄されているのは私だけだった。