きみから世界が、溶けるまで
青春・恋愛
完
5
- 作品番号
- 1717882
- 最終更新
- 2024/02/26
- 総文字数
- 31,981
- ページ数
- 30ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 5
キャラクター短編小説コンテスト応募作品
「小説」という名の世界を作る彼と、自分の世界が消える彼女。
彼らの描く世界が少しでも心に届けば嬉しく思います。
2024.2.19〜2024.2.24
- あらすじ
- 現役大学生作家・風田俊次郎は「スランプ」という窮地に追い込まれていた。
だが、担当編集者・森橋と打ち合わせをしていた最中、かつて思いを寄せていた緒川ひかりと偶然出くわす。
しかも「話のネタが浮かぶかも」という森橋の企みによって再会早々二人きりにされてしまった。
取り残された風田。バレてしまった「作家」という現状。
そんな彼に向けて緒川は言う。
「良かったら、私に手伝わせてくれない?」と。
この作品のレビュー
恋愛要素だけじゃなくて、夢や生命や優しや、大切な人の死の受け止め方など読み手の心に入り込みやすく、切ないけれど悲しいだけでは無いお話でした。恋愛小説が苦手な方も切ない系が好きな方も是非読んで見て欲しい作品です。
この作品の感想ノート
私はシンプルに「好き⋯」の二言で目頭が熱くなりました(´;ω;`)その過程も情景も全てが愛おしく心理描写がとても繊細で上手で⋯。素敵な物語をありがとうございます。
“自分のため”に描いていた物語を“誰かのため”に描く。
それだけでも愛が込められているのに、彼の想いも乗って、彼が描きあげたストーリーは、本当に彼女へのラブレターとなっていた。
物書きとして、これほど最高なラブレターはないな、と思いながら読んでいました。
緒川さんと風田君の掛け合いはテンポがよく、このまま幸せな未来を歩むのだろうと想像していました。
ですが、そう上手くことは運ばず……だからこそ、風田君のラブレターには泣きそうになり、緒川さんが残した最後の言葉でさらに深い感情へ落とされました。
これからの風田君が前向きでいられるようなラストに、応援している私がいました。
素敵な物語を、ありがとうございました!
葛来先生
感動的なお話ありがとうございました。
冒頭辺りでは私の中での先生の雰囲気で、読み安さと登場人物の口調などが見受けられてファンとしては嬉しい感覚で読み進めて行きましたが、進むにつれて恋愛物と言うこともあってか「ちょっとときめきドキドキ感あるやん♡」となってました。だけどタイトルからして分かってはいましたが、切ないお話へとどんどん展開していって、彼女が亡くなってからの風田と緒川家の両親とのやり取りが描かれる辺りからはもうずっと泣いてしまって、動画を残していたのを母親から知らされ見ているシーン等切なくてたまりませんでした。全体的に映像で浮かぶ様なシーンの描き方がとても素敵で、それが余計に涙を誘うという…。大好きな「花屋の倅と寺息子」シリーズもそうですが、葛来先生のお話は場面が脳内で映像再生しやすくて、登場人物のイメージイラストが無くてもそれは同じだなと感じる事が「赤子悪魔」も今回の作品も出来ました。ハッピーエンドでは無かったですが、小説家として重版も聞かされ前を向いて進んで行く風田のラストは晴れ晴れと感じられ四つ葉のクローバーが舞い見えた気さえしました。改めて感動的な作品をありがとうございました!
この作品をシェア
この作品を見ている人にオススメ
読み込み中…