第50回キャラクター短編小説コンテスト「まかろんKのイラストに小説をつけよう!」
受賞作発表
全体講評
<まかろんK(特別審査員)>
『まかろんKのイラストに小説をつけよう』コンテストへのご参加ありがとうございました。
自分の絵から生まれた小説なのにそれぞれにちゃんと作品の色があり、毎日ワクワクしながら読ませていただきました。同じビジュアルの主人公とヒロインのはずが、どの作品も見事に世界観を築き上げているので、いつの間にかその物語の2人の世界に染められているのがとても不思議な感覚でした。と同時に創作は無限に可能性があるんだなと同じクリエイターとしてとても刺激を受けました。どの作品も本当に素晴らししかったです。
まかろんK特別賞の枠をいただけたので、絵描き視点から、物語を読んで更に主人公とヒロインを描きたいと思わせてくれた作品を選ばせていただきました。
この企画を通して参加してくださった皆さんが執筆を楽しんでいただけたとしたら自分は一番それが嬉しいです。これからも楽しく創作活動ができますように…
素敵な機会をありがとうございました。
最優秀賞
『まだ実る前の「 」』
鈴谷なつ / 著
【講評】<編集部>
毎週火曜日に葵は川辺に出かける。そこで出会った彼女は、『青』をテーマに写真を撮ろうとしていた。一緒に青を探すうちに、葵は彼女に惹かれていき…。
小説ならではの言葉遊びが非常に素敵な作品でした。主人公・葵と彼女の正反対なキャラクターが互いに引き寄せられていく様子も丁寧に描かれており、読者を引き込む力がありました。タイトル「まだ実る前の『 』」が示す曖昧さと、それに続く「恋」という言葉への連想が美しく、青というテーマがしっかりと活かされている点も素晴らしかったです。また、イラストを小説の世界に広げる工夫もオリジナリティがあり、まかろんKさんのイラストの持つ雰囲気が物語全体に溶け込んでいました。テーマを見事に掘り下げた素晴らしい作品をありがとうございました。
優秀賞
『ESCAPE』
ねじまきねずみ / 著
【講評】<編集部>
映画監督になるために美大に通う理公は、映画のエキストラのアルバイトに参加していた。そんな時「ねえ君、明日私につき合ってよ」と映画のヒロインを演じるリアに声を掛けられ、彼女に付き合うことになるのだが、彼女には悲しい現実が待ち受けていて――。
人物や情景の描写がとても丁寧なのでイラストを見ずとも光景が浮かんできますが、イラストと掛け合わせた瞬間に物語の世界がさらにグッと広がりました。「一日だけの逃避行」のようなテーマもオリジナリティがあり素敵でしたし、中盤のカフェで出てくる「マカロン」はこのコンテストならではの要素でクスっとできる要素もありました。ラスト、ヒロインが抱えていた秘密は衝撃でしたが、ラストは成長感のある青春恋愛でした!素敵な作品をありがとうございました。
優秀賞
『夏色に溶けた僕らの夢は』
九条 蓮 / 著
【講評】<編集部>
現実では話したことがない、でも、何故か“夢の中”で何度も出会い、話をしていたクラスメイトの彼女。ある日、上崎涼吾は“現実“で突然彼女に話しかけられて…。読者にとっていい意味で日常の延長線上にある情景描写、主人公の直面している非日常的な体験、ヒロインとの邂逅、そして魅力的なヒロイン像。短い文字数の中で日常と非日常への変化が魅力的に、かつテンポよく描かれており、いい意味で王道の展開にはそれを描く筆致が魅力的であるからこそ、冒頭からラストまで強く惹きこまれました。憧れと懐かしさの詰まった爽やかな青春を感じることができる、素敵な物語をありがとうございました。
特別賞
『B.』
優日 / 著
【講評】<編集部>
酔うと決まって自分を呼び出す、奔放な年上女性への淡い片想い。ふたりの関係性の報われなさや感情がリアルで切なかったです。本作の特徴は、一文が短く、圧倒的なテンポの良さがあり、かつ詩的で浸れる文体であること。長く書き連ね説明するのではなく、短く端的に感情を閉じ込める表現には、筆力の高さと世界観を感じました。文字数の少なさから他作品と読み応えの点で差が出た結果ではありますが、本作の女性視点のエピソードも読みたくなるほどハマりました!他作品の投稿もぜひ、お待ちしております。
まかろんK特別賞
『まだ実る前の「 」』
鈴谷なつ / 著
【講評】<まかろんK>
冒頭の表現が美しいと思いました。「その頃は何気ないと思っていた日常ももう戻れないかけがえのないものだったって気づいたとき、青春になる」この言葉が、日頃自分が感じていたことそのままで驚きました。「名前だけじゃなくて、連絡先も聞いてくださいよ」←最高です!とにかく爽やかな作品で、表紙の絵が活きていると感じました。
まかろんK特別賞
『君に捧ぐラストレター』
佐々森りろ / 著
【講評】<まかろんK>
とても可愛い物語でした。主人公、幼なじみ、ヒロインの3人がとにかく可愛いです。この年頃に直面する夢と現実と将来への悩みがリアルに描かれていて、共感する人も多いのかなと思いました。夢や目標を持つことに悩む世代に一歩踏み出す勇気をくれるような素敵な作品でした。
まかろんK特別賞
『ESCAPE』
ねじまきねずみ / 著
【講評】<まかろんK>
どんどんと進んでいく展開が魅力的でした。読者も、主人公と同じようにリアに振り回されていく感じがあり、次に何を言い出すのかと惹き込まれました。その後も急展開が続き最後は壮大で夢のあるエンドに繋がっていてスッキリ、今度は蛍が見られるのかなと期待してしまう終わり方が最高でした。ふと表紙を見直すと、この物語の表紙に相応しいのは蛍の見える上流のあの場所なのかも知れないと感じました。
まかろんK特別賞
『夏色に溶けた僕らの夢は』
九条 蓮 / 著
【講評】<まかろんK>
夢と現実を行き来する設定が斬新で面白く、興味をそそられました。この文字数でファンタジー要素のある世界を表現できることに驚きました。恋と友情の狭間にいる2人がとても爽やかで良かったです。「自分もこんなシチュエーションを経験してみたい」と思わず憧れるのが小説の醍醐味だと思うので、その点でもとても素敵な作品だと思いました。
まかろんK特別賞
『君が隠した心に色を』
粟生深泥 / 著
【講評】<まかろんK>
タイトルの本当の意味にハッとさせられました。憧れの青春シチュエーションがたくさん詰まっていて良かったです。祭りの音、大雨の音、湧き上がる拍手、ヒロインに見惚れた時に音が消える瞬間など、実際に音が聞こえるような感覚で入り込める作品でした。
まかろんK特別賞
『朝露に濡れる薔薇の棘はやっぱり痛いから』
小宮羅樹 / 著
【講評】<まかろんK>
斬新な設定で面白いです!意表を突かれました。ところどころにある主人公のツッコミに笑ってしまいます。後半の告白のシーンはリアルに感情移入してしまいドキドキでした。三宅君と主人公の未来に期待して思わず妄想を楽しんでしまうエンディングが良かったです。
まかろんK特別賞
『彼女が戻ってきた理由』
キリノマチ / 著
【講評】<まかろんK>
3人の幼馴染、その一人が告白。その設定がまずとても好きで展開が気になりましたが、まさかの凪さんの病気に胸が痛くなりました。でもそれでも変わらず想い続ける主人公の一途さがとてもキラキラしていました。少し悲しい物語でしたが、感情が揺さぶられる作品でした。
最終選考作品
キャラクター短編小説コンテスト50回記念 特別テーマ!
今回のテーマは『まかろんKさんのイラストに小説をつけよう!』です。
お題のイラストを使用したオリジナルストーリーを募集します。
突然告白された男の子? 好きな子を見つめている女の子? それとも、なんだかいい雰囲気の同級生を見つけたイラスト外の第三者!? イラストを最大限に使ったあなただけのお話をお待ちしております。
(イラストから想像できるシーンを物語中に登場させてください)
テーマに沿ったものであれば、既存作品でのエントリーもOK。
今回は特別審査員として大人気イラストレーターのまかろんK先生も参加!
たくさんのご応募お待ちしております。
お題イラスト
まかろんKさんの単行本が10月に発売決定!
発売を記念して本コンテストとの特別コラボが実現!!
※お題イラストは単行本に収められるイラストの中の1枚となります。
イラストレータープロフィール
まかろんK(まかろんけい)
見る人が思わず物語を思い浮かべてしまうような絵を目指し、SNSを中心に活動。書籍の装画やMV、ジャケットイラストなど様々なジャンルで活躍中。
応募要項
賞 | 最優秀賞(1作) 商品券1万円 優秀賞(作品数未定) 商品券3千円 さらに、受賞作品については書籍化の検討もさせていただきます。 また受賞作家様に今後サイトに投稿いただく作品は、書籍編集部にて優先的にチェックさせていただきます。 |
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応募資格 | 不問(プロ、アマ、年齢等一切問いません) |
応募方法 | STEP1 エントリーしたい作品の【作品編集】から、【設定】画面のコンテスト応募、ノベマ!第50回キャラクター短編小説コンテストを選択します。 STEP2 エントリーする作品のあらすじを入力してください。 STEP3 ページ最下部の【設定を保存する】ボタンを押すとエントリー完了です。
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原稿枚数 | 「ノベマ!」上で、作品本文を文字数3万2千字以内に収めてください。 (1ページの最大入力可能文字数は10万文字です。) ※あらすじの文字数(400字程度)分については、審査時はカウントいたしません。 |
対象 | 応募サイト「ノベマ!」に投稿された作品 以下に該当する作品のエントリーは不可となります。
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注意事項 |
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スケジュール |
※エントリー多数につき、より厳正な審査を行うため、誠に勝手ながら結果発表を10月上旬に変更させていただきます。ご応募いただきました皆様には大変恐れ入りますが、何卒ご了承くださいませ。(2024/9/26追記) ※スケジュールは変更になる可能性がございます。 |
審査について | 審査員 特別審査員 まかろんK、スターツ出版 書籍編集部 審査方法 すべての応募作品を読んだ上で、総合的観点から審査いたします。 |
諸権利 | 受賞作品の出版権、雑誌掲載権、インターネット上への掲載権、コミカライズ権、映像化権等は、スターツ出版株式会社に帰属します。受賞作品の全部または一部を、スターツ出版が発行・運営する紙面、インターネット・スマートフォン向けサイトに掲載することがあります。 |