私、ダイフェリ・ウィルウェルは由緒正しき公爵家の令嬢である。
父譲りのエメラルドの瞳と、母譲りのプラチナブロンドの髪。
だが、瞳には光がなく、髪は碌な手入れをしていないので燻んでしまっているが。
本来なら、今の年頃ならお茶会に招かれたり招いたり、子供なりに着飾って街中に繰り出したりするもの。
決してお金に困っているわけではない。
ウィルウェル家は国内でも有数の資産家。
一生遊んで暮らせるほどの財力は持ち合わせている。
更に、私には優秀な兄が二人いる。
長男は、ガイジス・ウィルウェル(12歳)。
恵まれた頑丈な体躯、毎日のように剣を振り、最近では騎士たちと共に魔物狩りに勤しんでいるよう。