けれどすぐには開けず、ドアに耳を当てて、人の気配がなくなってから静かに素早くカートを中に入れる。

二段あるカートの一番上は今日の朝食、二番目は諸々の消耗品・日用品が置かれていた。

取り敢えず、朝食を頂くことにする。

大小さまざまなお皿が乗ったトレーを持って、ベッドのヘッドボードの方にある台形出窓に行く。

ベッドと同じ高さに揃えられた出窓ベンチは、数段上って、ゆったり座れる広さがある。

この部屋で唯一のお気に入りの場所。

ボロボロのカーテンを少しだけ開けて、朝日を浴びながらご飯を食べるのが日課だ。

正座した膝の上にトレーを置いて、いただきますと手を合わせる。

フォークを手に取って、まずはサラダを口に運ぶ。

レタスがシャキシャキと音を立てて、その新鮮さを伝えてくる。