今日も軋む音を聞きながら、部屋に三つあるドアの内の一つを開けて入る。

そこにはシャワーと洗面台が取り付けられている。

どちらも、これまた年季が入っていて、変な所から水が出ることがある。

そして、古いからか、それとも後付けの物だからか、今日のような極寒の冬場でも冷たい水しか出ない。

最初の頃は凍えそうになったものだが、今では慣れた。

顔を洗って、掛けてあったタオルで軽く拭く。

そのタオルもザッと水を通して、太陽の光がよく入る場所に置いておく。

そんな感じで、匂いも汚れもさほど取れず、タオルはいつも生乾き状態だが、生憎と洗濯物の洗剤は持ち合わせていないのだ。

頼めば支給してくれるだろうが、“あの人たち”との交流はなるべく避けたい。

ベッドが置かれている部屋に戻ってしばらくすると、シャワー室とは別のドアの向こうからベルの音がした。