急いで家に帰り、色んな専門医がきて原因を探ったが、理由は分からなかった。
次に目が覚めた時、父と母が私の顔を覗き込んでいた。
きっと、心配そうな顔をしていたんだと思う。
私は、人の顔を見たことがない。
いつも死の瞬間の映像が阻むから。
だから雰囲気でなんとなく察する。
でも見たくはないから、外に出ていた四歳までは目を布で覆って過ごしていた。
目が痛いの?何か怖いことがあるの?と心配されて、眼科医と精神科医が来たが、そんなものは無意味だった。
ここで、ファンタジー物語をよく読むならば疑問に思ったはずだ。
『魔物が存在するなら、魔法が使えるのでは?』と。