しかも、一度見ただけではその映像はなくならない。

そのメイドと顔を合わせるたびに、だ。

赤ちゃんにはストレスが大きすぎる。

だが、それを伝える術はないから泣くしかない。

けれど、どれだけ怖いのだと思って暴れても、とてもよく泣く赤ちゃん、くらいにしか思われてなかったはずだ。


成長するにつれて、自分は呪われた瞳を持って生まれたのだと理解した。

家族の最期だって、比較的穏やかと言えど見たいものではない。

だから探した。

この呪いから解放される方法や、過去に似たような事例はなかったかなど。

一歳にして公爵家にある蔵書を片っ端から読み漁る姿はそれこそ異様だったことだろう。

でも何故か生まれた時から意識は鮮明だったし、文字も誰かの話の内容も理解できていた。