私の最初の記憶は、年老いた母が、同様に皺だらけになった父と成長した兄二人に見守られながら、息を引き取る姿だった。
それから父も、兄二人も。
映像、と言えば分かりやすいだろうか。
家族は比較的、穏やかな最期だった。
問題は昔、家にいたメイドだ。
そのメイドは、結婚して寿退職したのだが、その夫が悪かった。
毎日暴力を受けて最後の最期まで、苦しみながら死んでいった。
それを初めて見た時、泣いた。
それはもう大泣きだった。
メイドが苦しんで、血を吐きながら亡くなるという衝撃的な絵面を見たのだから当たり前だ。
生まれたての赤ん坊にグロテスクは耐えられない。