なんでか分からないけど、私は『ぼっち症候群』になってしまった。


学校の人たちは誰も私のことを覚えてなくて、遠巻きに眺められる。


これじゃまるで、本当にぼっち症候群だ。


那古ちゃんが話しかけてくれるけど、それでも孤独感は消えなかった。


「玉藻ちゃん、次美術だから一緒行こー!」

「うん」


目の前にいる那古ちゃんや煌雅は本物なのに、私には本人には見えなかった。


「あ、那古ちゃん。やっぱり先に行っててもらえるかな」

「え? なんかあったの?」

「私、ちょっとお手洗い行ってくる」


そして、一緒にいることを避けてしまう。


お手洗いを終えると、扉の外で那古ちゃん………ではなく、煌雅が待っていた。


「………朝霧くん?」

「狩谷に春瀬のボディガードしてこいって言われて強引に連れてこられた。女子トイレの前で待ってるって普通にキモいよね。ごめん」


そういえば、前にもこんな事があった。

私が那古ちゃんといられないとき、代わりにこいつ持ってって、って煌雅を私についてこさせた。

思い出を重ねれば重ねるほど苦しくなる。


「朝霧くんは優しいね。断ってもよかったのに」


あぁ、こういうところはどんなときでも変わらない。

私が好きになったのは、こんな煌雅だった。


つい昨日までは両想いだったのに。

つい昨日までは一緒に笑い合ってたのに。


でも、今は両想いじゃない。


この想いは秘めなくてはいけない。

そうしなきゃ、またひとりになった時、すごく辛くなる。


私は煌雅に恋愛感情を抱いている。


だけど、それはイレギュラー。


この片想いは、隔離するべきなんだ。