急に煌雅の家に泊まることになって、すごく焦ってる。

そんなこと、初めてだ。


着替えは、近くの服屋さんで煌雅が買ってきてくれた。

………恥ずかしいけど、下着まで。


「春瀬、先に風呂入っていいよ。俺、ご飯作ってるから」


できる男である。


まだ多少ダルいが、煌雅の看病のおかげもあってか最初よりはだいぶマシになった。


「分かった。ありがとう」


私はそう返すと、お風呂場に向かった。

泊まったことはないけど、お風呂を使わせてもらったことはある。

デートの途中で大雨が降ってきて、近くの煌雅の家にあがらせてもらった。

その日はちょうどブラウスで、煌雅に『目のやり場に困る』と言われて、ブラウスを洗ってる間に風呂に入らされた。


Tシャツを脱いで、短パンも脱いで、タイツも脱いで、次にブラに手をかけた時。


「春瀬ー、ボディソープないか、も……………」


煌雅が遠慮なくドアを開き、なんとも言えない沈黙が流れた。


次第に、煌雅の顔が朱色に染まる。

多分、私もおんなじような顔してる。


「ごめん」


煌雅は顔を真っ赤にしたまま手で目を覆う。


何がよかったって、まだギリギリブラをつけていたことだ。


「詰替え、ここ置いとくから」


ボディソープの詰替えを入口の方に置くと、煌雅は出ていった。


ラブパプにも程があるでしょ………。


お風呂に入ると、ふわっと仄かに甘い香りがした。


煌雅のシトラスの香りに混ざっている甘い香りと一緒だ。


ちょっとだけ時間をかけて、火照った顔を冷ます。


そんな間にも、さっきの煌雅の顔を思い出す。

どんな顔して会えばいいの…………?