今、この夏が頭がおかしくなったように暑くなった今、スマホも普及し誰でもどこでも繋がれるようになった今。
時代遅れにまだひたすら竹を切って、あまり需要のない流し素麺用に使っている、現代版、竹取の翁と呼ばれる結構な年を取ったおじいさんがいた。今どき流し素麺用の竹で生活している人なんていそうでいないから村人、いや、町人には名が知られていた。名前は、香川 三造(かがわ さんぞう)といった。ちなみに、元祖竹取の翁の名前は讃岐の造(さぬきのみやつこ)という。どうでもいいか。それはさておき、三造はいつものようにチェーンソーの点検を行い、山へでかけた。けたたましいチェーンソーの音を響かせながら需要のない竹をひたすらに切っていた時、とうとうその時がやってきたのだ。奥に見える竹が、光っていた。
「あれは…」
この流れから行くと中にいるのは三寸…スマホくらいの小さな女の子か。興奮を隠しきれず、チェーンソーを持て駆け寄った。眩しい光が、あたりを照らしている。
「待て、チェーンソーで切ったらやばいのぉ。いと可愛らしい娘がいるかもしれんでな。ばあさんも最近覚えたショート動画の踊りを踊って喜ぶぞぉ。」とぶつぶつ言いながらチェーンソーではなく、これまた時代遅れの斧で竹をかつかつやりだした。すると、予想通りのスマホくらいの可愛らしい女の子が、ドレスをまとって座っていた。三造はすぐさまおばあさんとビデオ通話を開始した。
「もしもし。お昼ご飯が足りないのですかおじいさん。何もビデオ通話で怒らんでも良いでしょうに。」
「違う違う。それなら最近よく聞くなんとかイート頼むでね。そうじゃなくて、おばあさん、これを見てくれぇ。マジで可愛い女の子が座ってるよ。連れて帰ろうか。」
「まぁ、これはこれは。名は光り輝くように美しい様子だで、月夜(つきよ)でどうでしょう。私達で大切に育てましょう。」
という調子で、三造とおばあさんの間にとても可愛らしい子供ができた。