休み時間の教室は、ざわざわとにぎやかだ。
11月に入って、気温が急に下がった。陽介のクラスも、外に出ずに教室内で時間をつぶしている生徒が多い。本を読んでいる者、カードゲームをやっている者、中には狭い教室内でボールを投げている者までいた。皐月も、女子同士で話し込んでいる。
「陽介―、数学のノート見せて」
陽介が自席でぼんやりと外を見ていると、諒ががたごとと前の席の椅子に座った。
「次の時間俺、当たるんだよ」
「なんだよ、やってないのか?」
「夕べ、疲れて寝落ちた」
陽介が机の上に用意しておいたノートを渡すと、諒はすごい勢いで写し始めた。
することもなく窓の外を見ていた陽介は、運動着で校庭に出ていく集団をぼんやりと見ている。
(あ)
その中に藍や平野がいた。どうやら次の時間は体育らしく、みんな寒そうに少し背中を丸めて校庭の端に立っている。
11月に入って、気温が急に下がった。陽介のクラスも、外に出ずに教室内で時間をつぶしている生徒が多い。本を読んでいる者、カードゲームをやっている者、中には狭い教室内でボールを投げている者までいた。皐月も、女子同士で話し込んでいる。
「陽介―、数学のノート見せて」
陽介が自席でぼんやりと外を見ていると、諒ががたごとと前の席の椅子に座った。
「次の時間俺、当たるんだよ」
「なんだよ、やってないのか?」
「夕べ、疲れて寝落ちた」
陽介が机の上に用意しておいたノートを渡すと、諒はすごい勢いで写し始めた。
することもなく窓の外を見ていた陽介は、運動着で校庭に出ていく集団をぼんやりと見ている。
(あ)
その中に藍や平野がいた。どうやら次の時間は体育らしく、みんな寒そうに少し背中を丸めて校庭の端に立っている。