「君も大概しつこいな。ダメだと言っているんだから、あきらめたらどうだ」

 言われて、いつになく強引な勧誘をしていたということに陽介は自分で気づいた。

「すみません。でも……」

 藍に無理をさせるつもりはない。けれど、真剣に望遠鏡をのぞいていた藍の顔が、陽介の頭の中から離れない。

 また、一緒に星のことを話したい。天文部の中でも、藍のように星について興味深く話す部員は少ない。

 そう思って、さらに陽介は聞いてみる。


「先生は藍の病気のことについて詳しいですか? 天文部に誘っているんですけど」

「もちろん知っている。だから言わせてもらうが、疲れやすい体で長時間拘束されるのは、本人にかなりの負担を強いることになる」

 不機嫌をあらわにした表情で言われて、陽介は少し驚いた。春から保健委員として顔を合わせてはいるが、良くも悪くも木暮が感情を表すのを見たのは初めてだ。