「そのことなんだけど、ちょっとクラブ活動は難しいみたい」

「なんで?」

「私、こう見えてか弱いのよ。ここ」

 そう言って、藍は自分の胸をとんとんと軽くたたいた。

「ここがね、たまにいう事聞かなくなるの」


「でも、文化部だし、体動かすようなことはしないし」

 顔をあげた藍は、何か言いかけて口を閉じた。わずかの沈黙の後、困ったように首をかしげる。

「んー、それでも、学校にいるとそれだけ疲れちゃうから」

「無理しなくてもいいよ。少しだけでもなんとか……」

「それくらいにしないか」

 口を挟んだのは木暮だ。さらに、陽介と藍の間を遮るように二人の間に立つ。